京都の面白さって見えないところにあるのでは、と思います。ただの住まいに見える町家の中で人知れず職人さんが作業しているという風に。こちらのお店もそんな感じ。
ここを知ったきっかけは、台湾インディーズカセットを探していた時のこと。Second Royalさんは麩屋町六角上がったビルの3階にあります。表に目立った看板がないのも、ワクワクさせられます。ただのレコード販売店ではなく、京都で活躍するインディーズのレーベルでオフィスも併設されています。アパレルやグッズも可愛くて「ジャケ買い」で新たなバンドを知ることも楽しみ方の一つ。台湾とつながる京都のスポット、インディーズ音楽好きにはハマる場所かと思います。京都観光の思い出に『音楽』なんて如何でしょうか。
京都はナイトライフを謳歌する娯楽が少ないと聞いたことがあります。
そうでしょうか?京都市内には至る所にライブハウスやミュージックバーなどがあります。そんな中でもアバンギルドさんは音楽のライブだけではなく演劇、落語や舞踊など多様性のあるエンターテイメントを見ることができます。海外から待ちに待った人が来ることだってありますよ。店内の雰囲気も渋く、薄暗い照明具合、私は床や壁が好きです。また食事の美味しさに定評があり、お値段も◎。木屋町通の昭和レトロビルの中に広がるサブカルチャー。好奇心をいっぱいにして京都の芸術文化の発信地を覗いてみて下さい。
通りのバナナの木がアイコンになっているハローさん。このようなCaféが町の暮らしに自然と溶け込んでいるところが「京都の奥深さ」と私は思っています。店内は壁一面の本棚と、お花が大きな花器にセンス良くいけられています。空間、音楽、お食事、盛り付けに至るまですべて妥協がありません。季節のタルトにハマったら最後、一年通して通う!という罠に・・・とても美味しい!すでに有名で大人気のお店ですが、そういうお店が陥りがちな「THEおしゃれCafé」という括りに縛られていない絶妙なCaféなのです。老若男女が安心して思い思いに過ごせる。これからも存在し続けてほしいと願ってやまないお店です。
押小路の御幸町通は比較的静かな通り。北へ上がっていくと右手に緑が生い茂る森のような一角が現れます。その一階にモールさんはあります。緑と一体化して木の幹のような扉が入口。窓に向かったソファーは緑が目に優しい特等席です。私は頭の洗濯をしたくなるとこちらへ出かけます。コーヒーもカレーも美味しいのですが、何がすごいかというと流れる音楽の浄化力(個人差ありますが)。緑、木漏れ日と音楽。店を出るころには頭も心もスッキリするのです。近所の人の知る人ぞ知る場所であって欲しいと思いつつお気に入りの場所紹介ということで、紹介させていただきます。静かに過ごしたいお一人様におすすめです。
御所にピクニックに行かれる方はいらっしゃいますか?
そんな方には堺町御門から徒歩5分のれもんさんのお弁当はどうでしょうか?
晩御飯用のお惣菜もありますので、観光に疲れた晩のテイクアウトもお薦めです。
もともと喫茶店を経営されていた女将さんと娘さんがお弁当に特化したお店にリニューアルされました。家のお弁当って不思議と飽きないですよね。こちらのお弁当はまさにそんなお弁当。俵型の二段弁当には体に優しいお惣菜がバランスよく溢れんばかりに詰められています。手作り干し芋も隠れた人気商品。奇をてらわず、食材をきっちりお料理する。当たり前のことがここにある、どんなコンセプトより大事だなとお弁当を食べならいつも思います。ごちそうさま。
とあるフランス料理やさんで供されたパン。その美味しさに、どこのパンなのか訪ねたのがワルダーさんを知るきっかけでした。京都はおいしいパンやさんが沢山あって、それぞれに「ここのお店のコレが好き!」とご贔屓があるように思います。ワルダーさんの『大地のめぐみ』は噛めば噛むほど甘味のでる食パン。斜向かいの生祥児童公園でワルダーさんのパンを楽しむ人もちらほら見られます。以前は小さなプールもあった児童公園の中でも歴史ある生祥公園。狭い四つ角にある公園は京都らしさを感じられるポイントかもしれません。ぜひパンを片手に公園で一服。住人気分を味わえるのではないでしょうか?
先代がとてもファッショナブルで、紫の髪の毛に沢山のアクセサリー、誰も真似できない服装で番台にいらっしゃいました。私はそのころからイケてる銭湯だなと。
現在は若夫婦が守り続けていらっしゃいます。若女将は子供三人育てながら、店をきりもり、モノづくりがお好きでイラストやグッズ販売したり、いつもアイディアがいっぱい。頑張り屋さんの若女将から元気をもらっているご近所商売人妻は私だけではないはず。堀金も夏休みご近所コラボ企画として金のアヒルをお風呂に浮かばせるイベントを行いました。綺麗に保たれたお風呂や昭和タイル、サウナ。銭湯としての魅力とその時々の+αが楽しめる玉の湯さんです。
寺町商店街の北の端、本能寺さんの斜向かいに小松屋さんはあります。ご主人と女将さんが切り盛りされ、さらに三人娘さんがバックアップされています。
八方焼と黄味餡でニッキ味がきいた「焼き芋」はこちらの名物です。焼き芋そっくりで愛くるしいフォルムに匂いも相まって衝動買いの誘惑にかられます。小松屋さんの和菓子はどれも優しいお味。
「最近お子さんどうしてはんの?」女将さんとのなに気ないやり取りも味わいの一つです。大正元年から町衆に愛されてきた理由は「おいしさ」だけではないのだろうなと思います。桜餅、あゆ、水無月、ちまき、月見団子・・・季節ごとに手書きのメニューが店先に吊るされ、季節の移ろいまで感じることができます。ご近所さんに小松屋さんがあって本当に幸せ。
鴨川。京都市民のオアシス、私は橋の上から北を向いて鴨川の上に立つのが好きです。盆地でありながら、風が通り抜けるのを感じられる貴重なポイントです。京都の鴨川にはたくさんの橋がかかっていますが、私のお気に入りは二条大橋。特徴のない橋なんですけど色々と楽しめる景色があるので。東の橋のたもとに枇杷の木があり、初夏から夏にかけて実がたわわに実ります。
そして飛び石を行きかう人々の姿を見るのも一興。(ここの飛び石は千鳥と舟形があります。)6月になるとリッツカールトン沿いに流れる禊ぎ川では蛍を見ることもできます。この橋の西側はアパレルブランドショップや佇まいが魅力のアンティークを扱うギャラリーなどもあり、一之船入などの撮影ポイントもあります。ゆったり過ごすにはぴったりのエリアだと思います。
京都で生まれ育ち、日頃からたくさんの方と巡り合う堀さんだからこその、京都の穴場を紹介していただきました。