古い佇まいの街の銭湯。まず、脱衣所には柳行李(やなぎごうり)の脱衣籠。非常に状態が良く美しい。今では職人が減りなかなか作られないため貴重なのだとか。
この銭湯のお気に入りポイントは何よりタイル。今はないレトロタイルが修繕されながら丁寧に現存されており、お風呂に入りながらそれらを眺めている時間が嬉しい。足を思い切り伸ばして入る深風呂も良し。サウナは少々ぬるい目だが懐メロが流れており貸切の場合は1人カラオケも楽しめてしまう(私だけか)。
サウナと水風呂の行き来を何度か行い、身体を整えると1日の疲れやストレスも吹っ飛ぶ幸福の時間。
利用されるお客さん達も比較的静かでマナーの良い方々が多い。粛々と各々のルーティーンをこなして入浴を楽しむ風景。地域に根付く古き良き憩いの場所、絶対なくしてはならない京都屈指の銭湯の一つだと思う。
言わずと知れた「黒蜜だんご」のお店。小分けでは売られておらず有無も言わさず10本入り。
10本といっても1本が上品な量なので、気づいたら5~6本ペロリと⻝べているから不思議。
もちもちの団子は黒蜜を纏い、その後大量のきなこがまぶされているそんな菓子。甘そうでいて、そこまでくどさのない甘味なので、見た目よりも上品な味。作りたては、きなこたっぷりなのでむせそうになるのをグッとこらえないと周りが大惨事になるのでご注意。しかし時間が経つにつれて黒蜜ときなこが融合し始め、しっとり団子に変貌をとげる。
作りたてで5本+しっとりバージョンで5本=10本。なので10本入りでオッケー。 昔から好物だが、特にここ最近、無性に⻝べたくなるから困ったものだ=太る。
とにかく魅せる鉄板焼きのお店。ご家族で経営されており、近所の方々でいつも繁盛している。
女性だけで来店するとお好み焼きがハート型で出てきたり、お子様だと星形で提供してくれたりとサービス精神旺盛。 特に、とんぺい焼きやイカ丸焼きが絶品。目の前の鉄板で焼いてくれる手捌きも丁寧かつ美しい。サイドメニューのササミチーズフライもオーダーが通ってからササミを巻き巻きして作ってくれる。突き出しで提供されるお惣菜もクオリティーが高い。
ボリューム満点で、お財布にも優しいときたら通いたくなること間違いなし。細やかな気遣いも心地よくて知る人ぞ知る名店のひとつだと思う。
丹後野菜を農家さんから直接仕入れ、新鮮な野菜を所狭しと販売されている八百屋さん。ご主人は野菜を紹介する時「これは〇〇さんとこのトマト」とか「朝獲れたばっかりのクレソン」とか「農家の〇〇さんは80歳過ぎのおばあさんなんやけどまだまだ元気で…」など陳列されている野菜の向こう側までご案内してくれる。
珍しい野菜を見ていると、美味しい⻝べ方まで伝授してくれるという徹底ぶり。こうなると農家さんを応援したくなる気持ちも生まれ、ご主人の愛情もひしひしと感じられるから買わずはいられない。
こだわりのお野菜たちは新鮮で間違いないので、良い野菜を手に入れてからそれをベースに今晩のメニューを決めると良い。
店先にはなぜかメダカも陳列。あれはそもそも売っているのか?買ったらどうやって持って帰る?というか買う人いるのかなぁ。
ネパールカレーのお店。街中の細い路地にあるお店で、来店すると名物美人店員さんが大きな声で「いらっしゃいませ~!!!」とお出迎え。毎回、ほぼ同じヒマラヤマッシュルームカレーとチキンカレーをオーダー。ネパールカレーはインドカレーよりもサラッとした味わいで、何度でも⻝べたくなる味。付け合わせのナンは成人男性の顔の1.5倍はあるかと思えるほど大きなもの。
カレーはもちろん美味しいのだが、なによりもスタッフの接客が本当に素晴らしい。縦⻑のお店なのでテーブル一つ一つまでなかなか目が行き届かないと思われがちだが、絶妙なタイミングでお冷サービス、付かず離れずのちょっとした会話も心地よい。いつ伺っても同じとびきりの笑顔と元気な接客がお店の雰囲気にマッチしており、毎回気持ちよく⻝事ができる。
飲⻝店は接客、雰囲気、味が全て整ってこそ良いお店だと思う。見習いたいお店。
荒神口エリアは昔住んでいたこともあり、個人的に好きなお店が多い。
こちらは河原町丸太町交差点から一本東通り上がったところにある有名な本屋さん。一見通り過ぎてしまいがちなのだが絶対に通り過ぎることはなく、ん??と思わず立ち止まってしまう店構え。
いざ店内に入ると縦⻑の作りで広過ぎないキャパシティが心地よい。そして大型書店にはない店主さんの厳選なるチョイス。まるでセンスの塊を詰め込んだおもちゃ箱の様な新しい街の本屋スタイルだと感じている。
いつも目的なくフラリと来店するが、必ずといってよいほど欲しい本が見つかるから不思議。ここで本を買ってから、荒神口の鴨川のほとりで本を読むほど贅沢な時間はない。
ご夫婦で経営されている、まだ比較的新しい街のお豆腐屋さん。老舗のお豆腐屋さんで勤務されていたご主人が独立されたお店。京都には美味しいお豆腐がたくさんあるけど、ここのお豆腐はそれぞれの味のバランスが良い。シンプルで清潔感のある店内で作られる商品は絹、木綿、寄せ、揚げの4種。豆は全て国産大豆。よく購入する寄せ豆腐はクリーミィだけど飽きがこない味。少し塩をかけスプーンですくって⻝べるとより甘味を感じられる。また木綿の風味と⻝感は絶品で、この木綿で作る白あえは誰が作ってもご馳走に早変わりしてしまうほど美味。さっぱりし過ぎず、くどすぎず絶妙なバランスが素晴らしい。何よりも素敵なご夫婦のお人柄が味に反映されている感じがする。 人気のお店なので、日によってはお昼過ぎには売り切れていることもある。電話で取り置きしてもらうと安心。
よほど注意しないと店を通り過ぎてしまいがち。何時からやっているのか、何屋さんなのか全くわからないが、おいなりさんが美味しいお店。昔は店内でも⻝べられたようだが、現在は持ち帰りのみ。お店に入ると今は使われていない比較的広い店内。奥の厨房から女将さんが出てきてくれる。なんとも勿体ないなぁ、と思いつつも私と同じようにここのいなり寿司を⻝べたくて買いに来るお客さんは多いと思われ、実際お昼過ぎには売り切れていることが多い。店頭には巻き寿司、チラシ寿司、いなり寿司が陳列されている。いなり寿司は1個90円くらい。このいなり寿司、驚くなかれ、中身の具は胡麻のみ。その潔さが気持ちよく、シンプルに酢飯と揚げの味を楽しむことができる。とにかくこのバランスが実に素晴らしい。甘すぎない揚げ、ちょうど良い塩梅の酢飯、ゴマのバランスがまるで図形に表すと正三⻆形のような…。 とにかくシンプルイズベスト大賞のおいなりさんは⻲屋さんしかないと思う。
歴史は⻑く大正時代からあった商店街。鯖街道の終着点として栄えていたらしい。⻑年地元⺠に親しまれてきた桝形商店街。私も幼少期、祖父に手を引かれながら連れてきてもらった記憶が蘇る。昔に比べるとお店も色々変わってきてはいるけれど、来るたびに昔の匂いを思い出す特別な商店街。決して大きくはなく、河原町通りから寺町通りまでの短い間ではあるが、お店はどこも個性豊かで活気がみなぎっているのが心地よい。大型のスーパーに行けば全てのものが揃ってしまう便利な時代だけれど、私はできるだけ専門店が集まる商店街で買い物をしたいと思う。お肉を買うならこのお店、果物買うならこのお店、昆布を買うならこのお店、といった具合に一軒一軒足を運び、時には店員さんと話をしながら。 一見ちょっと面倒にも思えるような買い物。しかしこれこそが心豊かな気持ちにさせるんだと思う。
本を読む時、考えごとをしたい時などにぴったりのお店。基本的にジャズ喫茶なので1人で来店される方が多く、年代物の素晴らしいスピーカーから流れるジャズを聴きながらゆっくりと時間を過ごせる。自身、胎教音楽がジャズだったことも影響しているのか気づけば大学時代まで手当たり次第ジャズを聴きまくっていた。ここでよく聴いていたアルバムが流れると当時の風景がフラッシュバック。懐かしいやら胸の奥がくすぐられるやら、ノスタルジックかつ居心地が よい。言わずもがな音は最高で、純粋に音楽を聴きたい人はスピーカー前の席がおすすめ。また壁一面のレコードの数々は圧巻。地元の耳の肥えたおじさま客も多いが、意外にも若い男子学生や女性一人客も多い。昔はたくさんあったであろう京都ジャズ喫茶も時代とともに街からどんどん姿を消していく中で、このYAMATOYAさんはまだまだ現役。レコード特有の温かい音色とコーヒー。京都に特別な場所があることに感謝。
好きな言葉は「温故知新」。
何度も通って、思わず店主さんに話しかけたくなるような出町柳〜左京区周辺の中川さん行きつけのお店、行きつけだからこその豆情報を紹介していただきました。