平安神宮前にある岡崎公園で毎月10日頃に開催されている骨董市で、日本の骨董や古道具はもちろんなのだが、ヨーロッパやアメリカなど海外のアンティークやヴィンテージといった古物もたくさん見ることができる。ベテランから20代の若い出店者さんまで幅広い年代の出店者さんが入り混じっていて、さらに女性の出店者さんも多いので、なんとも明るい印象の中で楽しく物色できるのが嬉しい。乱雑に並んだ古い物の中から何かを探し出して買うという行為は、なんだか自分探しにも似ていて、持ち帰った物を眺めていると嬉しくも小っ恥ずかしくもなるものだ。
気さくな夫婦が営んでいる近所の喫茶店。我が家から徒歩1分ということもあってよく通っている。片側の壁一面が本棚になっていて漫画など多くの本が並んでいるので、のんびり時間を過ごしてくださいという店主のメッセージなのだと受けとっている。僕はいつも週替わりのお昼ご飯を食べるのだが、大きめのお皿に野菜中心のおかずがちょっとずつ8種類くらいと、味噌汁と酵素ご飯がついている。はじめて目にする口にするおかずも多く、いつも心とお腹いっぱいにしてくれる。
京都で異色の古道具屋といえば、真っ先にitouが思い出される。店主の見た目も異色だが、置いてある商品が普通の古道具屋とは全然違うのだ。店主本人がどう思っているのか知らないが、いわゆる骨董ファンの大好きな「味わい」や「枯れ」や「時代」などの骨董価値には見向きもしないといった様子。学生が工芸の授業でコネコネ作ったような陶器やキラキラとデコラティブな置物など、僕の脳みそのどこかを刺激してくるセレクトが楽しい。
左京区の鹿ケ谷通りにある古道具屋さんで、日本の古道具を中心に取り扱っている。置いてある物の「形」と「質感」と「色」に独特の統一感というか店主の基準みたいなものが感じ取れて、物の並べ方にもリズムや仕掛けがあるので店内を見ていてワクワクする。古道具を見ると同時に体験している感覚が近いのかもしれない。古道具の選び方と並べ方の参考にもなるので、ぜひ出かけてほしいおすすめのお店だ。
この大原の旬菜市場は、主に大原付近で育てられた美味しくて新鮮な野菜を安く買うことができる穴場だ。たまに時間のある午前中に思い立って車で野菜を買いに出かけるのだが、僕が着く頃にはすでに京都市内にある飲食店の店主さんなどが野菜の仕入れを終えている。僕は以前、3年ほど畑を借りて野菜を育てていたことがあって、そのときに無農薬で薬を使わずに野菜を育てることの大変さを少し理解してから、農家さんへの尊敬の気持ちが益々強くなったものだ。
左京区北白川にある無国籍料理のお店。猫はいない。扉を開けると大人の隠れ家といった感じの落ち着いた空間が広がっていて静かに心が踊る。じんわりと五臓六腑に沁み渡る料理はどれも美味しくて感動するので、数名でディナーに行ったときは多めに注文してしまう。僕のお気に入りは「季節野菜のオーブン焼き」と「本マグロほほ肉のたたき」だが、パスタやデザートもおすすめ。ランチタイムは3種類のメニューから選べる。ランチでもお茶でもディナーでも使える京都の名店だ。
八坂神社の前、よしもと祇園花月のすぐ裏にあって、美味しいアジアの料理がいただける食堂。店内の雰囲気が心地よくて、大きな窓から見える景色と日の光をぼんやり眺めていると、自分がどこか東南アジアの路地裏にある食堂にいるような錯覚になる。昼の3種類から選べるランチセットはどれも美味しいので、きっと細かなこだわりが詰まっていると思うのだが、そういったことを一切表に出さない格好良さがある。夜はお酒と夜のメニューがあって、女性ひとりでも気軽に立ち寄れる雰囲気だ。
四条河原町の路地裏にある老舗のスパゲッティ専門店。本格的な「イタリアン・パスタ」ではなく「和風スパゲッティ」のお店だ。お店の名物は「たらこスパゲッティ」だが、僕のオススメは「玉子とベーコンのスパゲッティ」だ。和風だしをたっぷり含んだ玉子とベーコンがパスタの上にのっていて懐かしい味がする。ふと思い出したように無性に和風スパゲッティが食べたくなったらカルドへ行こう。
僕が10代の頃、夏の川遊びといえば右京区にある清滝だった。清滝は嵯峨の釈迦堂から坂道を登ったところにあるのだが、当時はあの急で長い坂道をよく自転車で登っていたなぁと感心する。そして、その長い坂道を登りきったところにあるのが心霊スポットにもなっている古くて狭い清滝トンネルだ。信号が青になったと同時に大声を出しながら全速力で自転車を走らせるのだが、本当に出口があるのかとドキドキしていた。トンネルを超えたらあとは水着になって、思った以上に冷たく綺麗な水に入って遊ぶだけ。じつは蛍のスポットでもあることを知ったのは大人になってからだ。
いわずと知れた世界遺産龍安寺の石庭が好きで、たまに一人で出かけることがある。狭い庭の白砂の上に15個の石がぽつぽつ並んでいるだけの簡素な四角い庭。時代も作者も意図も不明ということもあって、眺める側の想像力や意識がそのまま自分に返ってくる。なぜ僕が石庭に通うのかは自分でもよくわからないが、情報がどんどん入ってくる現代において、この石庭には頭の中を整理したり、リセットするためのスイッチがある不思議な場所なのかもしれない。
福岡県で生まれ、幼少期から京都の右京区で過ごしていました。
高校生の時に古着と出会い、骨董市と出会い、フリマと出会い、美術と出会い、そして今に至ります。
岡崎にお店を構える仲平さん行きつけの近所にある喫茶や、蚤の市仲間のお店、幼少期の思い出の場所などを紹介していただきました。