1764年の創業から、禁裏御用達箸司として今日に至った市原平兵衞商店。
品質の良いお箸は、家庭での食事はもちろんのこと、お茶事やお祝いの席にも用いられる。
その用途に合わせた使いやすさの追求があるから、ここまで長く親しまれるんだろう。お店に並ぶお箸は、なんと400種類以上もあるのだそう。
小雪の降る中訪れるお客さんたちも、こっちにしようかあっちにしようかと、手をさすりながら笑ってる。
市原平兵衞商店には、みやこばし すす竹と呼ばれるオリジナルのお箸がある。日本家屋の解体のときなどにでる長い年月を経た竹材を使うから、丈夫で反りにくいお箸だ。
150年程の記憶が今自分の手の中に乗っかって、現代の食事シーンにちょこんと馴染むのは面白い。囲炉裏やかまどでいぶされた一点ものの模様を見比べるるも楽しい。
「絵の具のチューブが一本あれば、無限の可能性がある。その一方で、一つの角材にはそれ自身の歴史がある」と、このお箸をみていたら、とある芸術家の声を思い出した。
お箸は毎日つかうから、日用品の部類になる。わたしは、お家のおはしを綺麗に大事にできていたかな。いただきますのとき、片付けの時、ものを大切にしてたかな。市原平兵衞商店のお箸は細くてとっても軽いけど、時間の重さと大事さをわたしにおしえてくれた。
場所:〒600-8081 京都府京都市下京区堺町通四条下ル小石町118-1
営業時間:平日 10:00~18:30 / 日・祝 11:00~18:00
定休日:不定休(三が日は休み)
津之喜酒舗
錦市場の真ん中、人々で賑わう酒屋