金箔一筋300年余り、京都に彩を添え続ける堀金箔粉は御池通にある。
近年は食品や美容、特殊印刷まで手掛け、金属表現の可能性を追求しているそう。通りからでも眩しい店内は、堀金箔の仕事への熱量と、ここに至るまでの歴史に相応しい。
金箔はその輝きと立ち位置から、人々から主役として考えられることが多いもの。だけど、本質はそうではない。金箔は、素材となるものや共にあるものたちの良さを十二分に引き出す存在なのだ。木ならば木目、紙ならば質感、といったように。
その考え方は商品となるものだけでは留まらず、堀金箔の仕事への向き合い方にも言える。地域や取引先、そして社内の「和」を大切にしてきた結果が、堀金箔粉の信頼にダイレクトに繋がっているのだ。
読者の方は、最近どんなところで金箔を目にしたか、思い出して欲しい。寺社仏閣か、化粧品の中、あるいは和菓子の上かもしれない。思えば、金色というものに人はずっと昔から惹かれている。どうして。それは、守られているような、人ではない神々しい力をそれらから感じるからだと私は思っている。
大事なものをこれからも大事にしたい。その気持ちは、先に挙げたようなものたちを通して、今後も堀金箔粉がつなげてくれるだろう。
津之喜酒舗
錦市場の真ん中、人々で賑わう酒屋