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京都寺町『スマート珈琲』
「スマート」に隠された今も愛される理由

受け継がれる「スマート」

「何も変わらず、何も変えず。毎日味を変えないっていうのが、うちの仕事です」
京都の寺町通り御池から三条の間、寺町専門店会商店街の中にあるスマート珈琲店は、1932年(昭和7年)に「スマートランチルーム」として開業されました。
現在は3代目である元木章さんとご家族、スタッフの方々でお店を経営されています。
お店の名前にある「スマート」には、「気の利いたサービス」という意味が込められています。
これは、気の利いたサービスが“できる”お店ではく、“目指している”お店だと章さんはおっしゃっていました。

創業時からコーヒーやホットケーキなどの作り方は一子相伝で、代々受け継いでいらっしゃるそうです。
しかし、コーヒーの焙煎の仕方などは、先代であるお父さまからは一切教えてもらえなかったといいます。その理由は、「コーヒーとは常に変化する生き物やから」と章さんは教えてくださいました。
さまざまな流行が来る中で、スマート珈琲店は「何も変わらず、何も変えず」を信念にされています。

「京都っちゅうのは、“よそはよそ、うちはうち”でやってるお店が多いんです。
流行を追っかけてしまったら個性が損なわれるでしょ。毎日味を変えないっていうのが、うちの仕事です。」
お店の看板商品であるホットケーキも創業当初から変わらず、とてもシンプルです。優しい甘さで、食べるとどこか懐かしい気持ちにさせてくれます。

時代は変化するものですが、時代の流行に合わせるのではなく受け止めるものは受け止めて、変えないところは変えないという姿勢がたくさんのお客さんから愛されている理由のひとつとなっています。

スマート珈琲

住所:京都府京都市中京区寺町通三条上る天性字前537
営業時間:8:00~19:00
アクセス:京都市バス 京阪三条駅から徒歩5分
電話番号:075-231-6547


今日のひとくち

京都館の酒井先生より:
『スマートコーヒーは、まず名前がかっこいいですよね。』
それが「気の利いたサービスが“できる”お店ではなく、“目指している”お店」とのことで、余計にシビれました。サービスって、コップやお店の空間のように形がないものです。形がないということは「完成しない」ということだと思います。だから目指し続けるのかな。ということも踏まえて、やっぱりスマートコーヒーの名前がかっこいい。
それから、飲み物、食べ物のレベルが平均的に高いことも特徴だと思います。名物を作ることより、全体のレベルを上げることの方が遥かに難しいはずです。
スマートコーヒーのメニュー、財布を気にせず遠慮なしでジャンジャンたのんで食べてみたいです。
あと2階のランチも、いつか行ってみたい。


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