京都100年かるた

京都「柊家」
疲れを癒し”寛ぐ”を提供し続ける老舗宿

我が家の寛ぎ

麩屋町姉小路に佇む、150余年続く旅館柊家を知っているだろうか。川端康成も泊まった!で知られるあの旅館。文久元年から一流の宿として人々の疲れを癒し、「寛ぐ」を提供し続ける老舗だ。
柊家という屋号は、下鴨神社境内にある比良木神社から取られたもの。邪気を払うとされる柊が自生しているこの神社を深く信仰していたことに由来するらしい。
旅館に行けば、衣類や小物、調度品の数々に様々な柊の模様があしらわれていることに気がつくはず。
「我が家に来られたように寛いでいただきたい」という気持ちから、玄関には『来者如帰』の文字が掲げられている。
泊まり客は入った瞬間から、柊家の寛ぎに対する思いの深さを感じることだろう。

至高に従う

旅というのはずっと変わらない。移動手段は変われど、旅でしか味わえないことがある。
旅館という仕事ははそんな人の旅と、延々寄り添い続ける商いだ。
ずっと安全に、予定通りの旅が好きな人も勿論いるが、実際そうはいかないのが旅の醍醐味だ。なにかしらのアクシデントが起こり、それを一人で、或いは誰かと解決しながら、ようやっと旅館に辿り着く。
そこで普段の生活や、今日一日を労って、一息つく。わがままでいていい時間は、どんな人にも、必要なものだから。
お守りのような至福、至高に従うのが、柊家のような良き旅館でのマナーだ。

「いつも」があること、「くつろげる宿」があること

旅館で過ごすと、「ああこれがいつまでも続けばいいのに」「毎日これで良い」とよく思ってしまう。素敵な部屋で足を伸ばし、美味しいご飯を食べたなら尚更そう。あんまり天国の近くへいくのも、よしあしである。
しかし柊家では、丸まった背筋が不思議と伸びて、前をむいて旅館を後にできるはず。
それは柊家の皆さんが、そういう気持ちで送り出してくれているからに他ならない。がむしゃらな毎日ありきの、至福。その楽しみ方を、大人ならマスターしたい。
今日も皆様、元気にゆきましょう。

柊屋

場所:〒604-8094 京都府京都市中京区 姉小路上ル中白山町
営業時間:チェックイン 15:00
     チェックアウト 11:00
定休日:不定休(建具の入れ替え、大掃除の時に休業)

かるた

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