三条大橋のたもとにある看板のないお店、京都で200余年営業を続ける内藤商店だ。
店前にはいつもキュッと締まったたわしが並び、ぶら下がった箒が風に吹かれて揺れている。
店でおかみとお話ししていると、その極めて簡潔なフォルムの道具たちに吸い寄せられるように、街の人たちは歩みをとめて手に取っていく。
ちらりと見ただけで人を惹きつける、凛とした力をここの道具は持っている。
内藤商店のたわしと初めて出会ったとき、
あんまり毛が柔らかいのでずっと手の中で撫でていた記憶がある。
箒も床を撫でるといい具合にしなってくれる。
ほこりも優しく集められるから、掃除も朗らかな気持ちでできる。
生活には無心でなにかをする瞬間、例えば皿洗いや掃除があると思う。
些細な時間だが人生はそういう時間の集まりなのだから馬鹿にできない。
内藤商店の道具たちは、私たちの生活の小さな時間を気持ちよく過ごして、と毎日言ってくれる。
それが生活の基盤だよ、と教えてくれもする。
場所:〒604-8004 京都府京都市中京区中島町112
電話番号:075-221-3018
営業時間:9:30〜19:00
定休日:不定休、年始(1月1日~3日)
津之喜酒舗
錦市場の真ん中、人々で賑わう酒屋