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京都『とようけ屋 山本』
100年以上続く京豆腐専門店

京都市上京区、北野天満宮の近くに、とようけ屋 山本はあります。

とようけ屋 山本はチンチン電車が京都の街を初めて走った頃、1897年(明治30年)に創業された京豆腐専門店。はじめは「山本豆腐店」でしたが、「とようけ」という屋号は、伊勢神宮外宮の祭神で食物・穀物を司る豊宇気毘売神(トヨウケビメノカミ)から、五穀の恵みを豊かに受け取ることができるようにと、3代目の久仁佳さんがつけられました。

お店には、ソフト豆腐(絹豆腐)や木綿豆腐の他に、辛子豆腐(夏季限定)、本柚子豆腐、青紫蘇豆腐といったお食事用の豆腐から、豆乳を使った朧豆腐「ちょっと上等 ええかげんなそこそこ豆腐」や、デザートとしての「豆乳ヨーグルト」もあり、様々な種類の豆腐が所狭しと並んでいます。大豆はできる限り有機栽培、無農薬のものを使い、一つ一つ職人さんが手で作られています。その中でも、「時代によって変わっていった豆腐、変わらず昔のままの豆腐がある」と、教えてくださいました。

「古けりゃええっていうもんでもないね。古くていいものもあるし、だから生涯には古くて良かった部分は置いておいて、悪い部分は捨ててるかなやっぱし。そうでないと生き残れないね。*擬製豆腐や揚げ豆腐は100%と言うてもいいほど昔のまんま。豆腐は変わった。そうでないと存続できない。まずは生きていくこと自体が意味があることであって。そやけども中には流行りじゃないものでも、技術としても継承せんならんと思って作り続けてるもんもある。」

 

*擬製豆腐:厚焼き卵のような見た目の豆腐。“ぎせい”という名前のお坊さんが作ったという説と、厚焼き卵に似せて作った偽の“擬製”のふたつから来ているそう。

とようけ屋山本は京都にあり続けて123年。どこでも近くでものが安く買える、なんでも均等に揃って安定したものが買える時代にとようけ屋山本さんの豆腐は、わざわざ足を運びたくなる魅力があります。

とようけ屋 山本

住所:〒602-8336 京都市上京区七本松一条上ル滝ヶ鼻町429-5
営業時間:7:00~18:00
アクセス:京都市営バス「上七軒」より徒歩7分
電話番号:075-462-1315


今日のひとくち

京都館の酒井先生より:
だいたい週一で行ってるなじみの豆腐屋さんです。
長い油あげも、ソフトという名の豆腐も、なんでもうまいですが、私は豆乳ヨーグルトを必ず買います。
日本で売ってる「ヨーグルト」ってどうしても欧州と比較してレベル低いんですが、ここのはイケテマス。間違いなくおいしい。


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