二条駅から歩いてすぐのビル、階段を上った二階の一室にあるのがマチマチ書店です。
雑居ビルとは対照的に明るい店内には、アートやデザインにまつわる本が並んでいます。
今のお店がオープンしたのが2年前、店主の中嶋さんが書店主として独立されたのがいまから6年前、そしてその前に勤められていた書店が、第一回で訪問させていただいた山崎書店さんです。広くて狭い京都の古書店のつながりを感じます。
中嶋さんによると独立したころと比べて、このお店目当てにやってくるお客さんが少しづつ増えているそう。書店主としてのやりがいを日々感じておられるように見えました。
中嶋さんおすすめの、京都本を3冊ご紹介します。
『今日の絵師は百花繚乱 京都文化博物館編』1998年刊(¥6,000 税込)
京都文化博物館の開館10周年を記念して行われた特別展の図録がこの本になります。
平安人物志という江戸期の人名録に登場する作家に焦点を当てて、各画家とその作品を詳細に記したこの図録は読み物として面白いだけでなく、京都画壇の歴史を振り返る資料としても価値のあるものです。
図録に登場する画家の中には、名の知られていない人物も数多くいます。
尾形光琳や伊藤若冲など誰もが知る有名画家は京都画壇のほんの一部分にしかすぎづ、京都というフィールドの内外に非常に多くの画家がうごめいていた事実がありありと感じられる一冊です。
『京都の近代化遺産』2007年刊 川上貢・編(¥1,500 税込)
京都の建築というと社寺仏閣のイメージがどうしても強いですが、その陰に隠れた近代建築も価値の高いものが多くあります。
都が遷都して活気が失われつつあった明治初期の京都では、経済の復興を果たすべく様々な公共工事が行われていました。
その過程で建設された琵琶湖疎水やその関連施設をはじめ、学術的に優れた近代建造物が意外にも京都では数多く残っているのです。そんな京都に散在する近代建築を調査し、その報告書をもとに編集されたのがこの本です。
近代建築と京都という一見ミスマッチにも見える組み合わせの妙を是非楽しんでください。
『京の色百科』2015年刊 河出書房新社・編(¥1,500 税込)
京都の四季が宿す美しい色の数々を一つの辞典形式にまとめたのがこの本になります。
京都の四季や伝統を彩った伝統色、計211色を写真と共に集めたこの本は、見ているだけでも非常に楽しいです。
またそれぞれの色の由来や歳時記、さらには色にまつわるエッセイまでも収録されており、この一冊があれば伝統色が丸わかり、と言っても過言ではないボリューム感です。
普段何気なく過ごす中で出会う様々な色の数々にも伝統色としての歴史があるかもしれません。気になる色を見つけるためにも常備したい一冊です。
住所:〒604-8381 京都市中京区西ノ京職司町19-3 二条ビル2階
営業時間:13:00〜19:00
定休日:日
アクセス:二条駅から徒歩3分
電話番号:075-841-5650
町屋古本はんのき
西陣の路地先にある、隠れ家のような古書店