1954年、八坂新地富永町に現る。創業者祖父義夫は東京赤坂で生まれ昭和一桁に私どもの本家草履屋『美濃忠』に丁稚として入店。そこで、『挿げ※』の腕と技を磨き美濃忠のお嬢(のちに私の祖母)と恋仲になり今の地に店舗を構えた。昭和29年頃の祇園町は今とは比較出来ないくらいの芸舞妓の数。その上庶民も履物は『下駄』。365日休みなく…大晦日は朝方まで…働いていたと祖父や親父からよく聞かされたものです。草履下駄の履き心地は『挿げ※』で変わります。機械で挿げることは不可能。一足一足人の手で作られます。どんだけ足の大きさや厚さなど定規で測っても手作りなので完璧には仕上がりません。足にそれなりにフィットさすことが職人の腕であります。餅屋で饅頭買っても饅頭屋の饅頭には敵わないと一緒で草履も草履屋にしか出来ない技があります。『草履は草履屋』で。
※挿げるとは、花緒を草履や下駄の台に付けることをいいます。これも各店によりやり方は微妙にことなります
住所:〒605-0078 京都市東山区富永町116
電話番号:075-561-5584
営業時間:12:00〜19:00
定休日:日曜
櫻井さんは草履や下駄に鼻緒を挿げる職人さんです。「ここの草履じゃないと…」と全国からお客様がいらっしゃいます。現3代目に代替りをして、まだ数年。それまで櫻井さんは各地の旅館を宣伝する営業を数十年されていました。
祇園にお店を構える、櫻井さん顔馴染みのお店や、祇園街のお店などを紹介していただきました。